20年経つと流行は戻る、という。
だから、ときどき自分が女子高生に戻ったような気になる。マルチボーダーのニットにショートブーツを履いて、オレンジ系のアイシャドウをつけてる子を見たときに。グルマン系の香水が流行っていると聞いたときに。あいみょんの新曲のMVを見たときに。

女子高生当時の私を大きく支えていたものは、香水とお笑いを見ることだった。NINA RICCIのレベルドゥリッチ1や、セクシーグラフィティや、ロリータレンピカをつけながら、毎週のように爆笑オンエアバトルを録画していた。彼氏が欲しいと思いながら、実在する男の子にほとんど興味が持てなかった。
芸人さんと付き合いたいと思っていたわけじゃない。でも、芸人さん以上に好きになれる男性はいなかった。

あれから20年近く経ったのに、そして一応何人かの男性と付き合ったはずなのに、相変わらす私の生活の支えは香水とお笑いを見ることだ。
NOSE SHOPでニッチなミニ香水を買って(フルボトルを買う財力も度胸もない)、twitterInstagramYouTubeTikTokをチェックして、TVを見る。年齢的には生涯のパートナーを探すべきなのかもしれない。でも、高校生のとき以上に、実在する男性に興味が持てないし、接点もない。

そもそも私は自分の世界に籠りがちで、他人といることをそこまで好まないのではないかと思った。何よりも傷つきたくないのだ。
自分から好きになった人に好かれるなんて本当に奇跡で、でももしそうなったって2人の気持ちが重なることはない。両想いは自分の世界においては存在しない。

未だにあの人の夢を見る。なぜかあの人が夢に出てくるときは必ず私の家にいる。私があの人の家に行ってみたかったのに。ごく当たり前に日常にいる。