マッチングアプリで素敵な女性と知り合った人がめでたくお付き合いした、という話を聞いたが、よく聞いたら出会いはマッチングアプリではなかった。
地元でマッチングアプリを介して出会い、そのまま付き合うってかなりレアなんじゃないだろうか。

私が通っていたのは私立の女子校で、後輩にはテレ東のアナウンサーやモデルがいる。可愛い子がとにかく多かった。
文化祭の代わりに毎年バザーがあり、そこに可愛い子達の知り合いの男の子がやって来る。20年前の男子高校生なので、ギャル男崩れと言った感じだが、皆容姿は良かった気がする。
あの男女はきっとマッチングアプリなんて使わない。

私の周りにいた、高校生の頃彼氏がいなかった子達は、大学生になってモテだしたり、社会人になってモテだしたりして、当たり前のように合コンへ行き、彼氏ができている。私も合コンに参加したりはしたが、皆宇宙人を見るような目で私を見ていた。
趣味の合う人を探すには、ネットしかなかった。いや、ライブハウスに通えばよかったのかもしれない。けれど、私は地元でバンド活動をしている人と繋がりを持つことはしばらくなかった。
ごく普通に生活をして、人と交流をしていれば出会いがある。地元はそういうところだ。そんなに容姿が優れてなくても、人との繋がりがあればどうにかなってしまうところがある。
これはもちろん、性別によるところもある気はする。男子が多い高校へ行って、そのまま就職したら、ほとんど異性と関わることはないかもしれない。まぁ、女子校からその年に共学になった短大に進学したので、男性と関わりのなさそうな女性もたくさん見たのだけれど。

なんだか頭でっかちなのだ。
16~22まで、ネットで出会った男性としか関わらなかった。短大には男子はいたのだが、私は自分から話しかけるのが苦手だったので、メールでやり取りすることが多かった。当然付き合うこともない。
おまけにネットで関わって、すぐ性的なことをして切られる、という有り様だった。結局そこから進まないまま、20年経ってしまった感じだ。

どうすればよかった? するべきことがいっぱいあったんだろうな。きちんと仕事に打ち込むとか。勉強もそうだ。
妥協しておけば良かったとは思わない。悲しいくらい、20代半ばまでの私はどの異性からも必要とされず、愛されなかった。
そして、こちらが自然と相手への興味を失くすと、向こうはものすごく追ってくる例もあるのだと知った。でも、追われるのは気持ち悪かった。

マッチングアプリには追うも追われるもない。30代前半のときはガツガツしている男性にたまに当たったが、30代半ばになれば、惰性でいいかもを送っているんだろうな、といった感じだ。マッチングしてもメッセージは来ないし、必ず途中で途切れる。仕方ない。私は塩対応だし、普通の女性の枠に入れないのだから。
ものすごく小さくなった恋の幻想をきっと追い求めている。本当は、体も心も誰かで満たされる準備すら出来ていない。