自殺に失敗した後みたいな

昔に比べればだいぶ穏やかにはなったと思うのだが、それでも感情をコントロールするのが下手だ。
だから、プツンと糸が切れると手がつけられなくなる。

家族に怒られた私は、出来たばかりのどん兵衛をそのままにして、終わった洗濯物を持ったまま家を出た。着替えもせず、何も羽織らず。
洗濯物が途中で落ちたので拾って干して、近くの公園で落ち着こうとしたら公園が見つからない。
そのまま適当に車を走らせて、昔1人で泊まったことがあるラブホテルに入った。途中、何度も涙が出てきた。
ウェルカムドリンクのお酒2杯、唐揚げ、何故かレースクィーンのコスプレを頼むが全然来ない(イライラしてるからそう感じただけだった)
やっと来た唐揚げは、薄味を好む私でもびっくりするくらい味がしなくて、塩を大量にかけて食べた。
レースクィーンのコスプレに着替え、マッチングアプリでやり取りしている男性に送りつけ、充電が5%の携帯で、かつて好きだった人にもtwitterを使い送りつけて、そのままアカウントを消したり復活させたりしていた。届いてしまったかはわからない。当然返信は来なかった。
マッチングアプリの男性は下半身が反応したそうだが、リアルで出会った男性はそんなにうまくいかない。いや、私は鍵アカだし、よほど飢えている猿でもなければ反応しないだろう。

ラブホテルはいちいち物音がして、なんだか怖くてろくに眠れず、家に帰った。
部屋が片付けられていた。何がどこにあるかもうわからない。
喧嘩した家族とはまだ顔を合わせていない。会社の給与明細が届いている。薄給である。薄給の私はラブホテルに泊まるなんて無駄なことこの上ない。

昔よく会っていた男性と、一応付き合って向こうの親にも挨拶したけど、「好きになれなかったんだよね」と言って別れた男性にDMを送りつけた(またtwitterを復活させ、そして消した)。その好きになれなかったんだよね、と言った男性は、最近彼女が出来たようである。twitterからの憶測だ。確定ではない。
私はこれから先も誰からも選ばれないのかもしれない。

36でも体のラインが出る服を着れば、男性の下半身は反応するんだな、と思った。私はそこに安心してしまう程度に駄目な女なのだ。だからマッチングアプリに向いていない。
体だけでも求められるならいいじゃん、と割り切れるような性格でもない。
自分が取り憑かれたみたいに人に怒鳴り散らすのも、堰を切ったように涙が止まらなくなるのも、全部嫌だな、と思った。泣いてスッキリはしないのだ、絶対に。