2020年

年末年始が好きで、わぁおめでたいなぁと思って浮かれていたここ数年だが、今年に限っては何がおめでたいのか、と冷静になってしまう。子供の頃読んだ一休の伝記の漫画に、お正月なのに髑髏を被り、「正月の何がめでたいのか。死にまた一年近づいただけではないか」という逸話が載っていたような気がするが、現代において怖いのは死より老後とか、これからの世界とか、貧困かもしれない。
今年年女の私が怖いのは、年齢という数字だ。

私は会社員ではないので、人との交流がわりと少ない。気をつけないと自分が何歳か忘れる。2020年になったということは、16歳から20年経ったということである。嘘でしょ? あの頃ローライズのジーンズが流行り始めたんだっけ。ゴシック&ロリータに興味を持ったのもその頃。お笑いが好きだった。初めて結婚したいと思ったのは、今は芸人ではなく放送作家になったビビるの大内さんだ。
そして今も私はお笑いが好きだ。ゴシック&ロリータはもう着られない。
16のお正月、覚えてないな。高校に行かなくなって、食事をほとんどしなくなって、ものすごく薄着で初売りに行ったら電車の中で倒れてしまった記憶がある。
あのときは誰かに愛されれば救われると思えたんだろうか?

実家暮らし子供部屋おばさんの私は、とにかく孤独を噛み締めている。地元にお正月会える友人はいなくて、都内の友人を誘ったものの、東京に行けるテンションではないや、と思った。
孤独が嫌なんじゃなくて、孤独を飼い慣らせない自分が嫌なのだと思う。天涯孤独ではないのだから。
今は親が元気だからいいけど、仕事があるからいいけど、1人で年末年始を過ごすことになったら平穏でいられるのだろうか?

誰かと繋がりたい、と思うのは不安なときだ。けれど、その誰かは自分の孤独を埋める対象でしかないので、思いやりを持って接することが出来ない。いい加減大人になりたいものだ。