りぼんの婚姻届の付録に対して

結婚は地獄だ、と思ったのは小学生のときだった。
結婚したらお嫁さんだのお母さんだのと呼ばれ、個人として扱われない。名字も変えなくてはいけない。夫と姑と舅に振り回される。親戚にも。
恋愛は夢だ、と思って憧れた。でも結婚はしたくなかった。

当時の私はセーラームーン魔法騎士レイアースを読んでいた。セーラームーンから惑星に興味を持ち、魔法を使って戦うレイアースに憧れた。そう、毎月なかよしを読んでいた。りぼんはちびまる子ちゃんだけを楽しみに読んでいた。
なんとなくりぼんへの苦手意識があったから、今回の婚姻届も引っ掛かるんだな、と思った。

否定的な意見ばかりだと思いきや、婚姻届を批判する人への批判のほうが目につく。え、小さい頃の女の子の夢はお嫁さんだと本気で思ってるの? もう令和なのに?
ドレスには憧れた。結婚式だけを挙げたかった。結婚式は夢だけど、結婚はただ現実だ。
好きな人とずっと一緒にいるのが結婚だなんて、一度も思えたことがない。子供の頃から。愛はいつか壊れる。

小学生の頃、ジャニーズがなんとなく苦手だった。かっこいい人にキャーキャー言うのがなんだか気持ち悪かった。綺麗なお姉さんに憧れた。クラスに好きな男の子はいたけど、上級生の女の子にも惹かれた。
男の人をかっこいいと素直に思えるようになれたのは、ここ数年の話だ。でもやっぱり今も、綺麗なお姉さんや可愛い女の子が好きだ。

結婚したい人、同性と結婚したい人、結婚したくない人、皆認められるようになるのは、まだ先なのかもしれない。